心構え&走り方

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心構え&走り方

オートバイは決して「安全な乗り物」ではありません。しかし、ライディングスキルと安全マージンの確保、危険予知能力の体得により、楽しく「安全に乗る」ことができます。

心構え&走り方

皆様の二輪免許取得は、ご家族は歓迎されていますか?ここだけのお話ですが私は二十代前半、家族に内緒で取得しました。同じように、ご家族の反対でオートバイを所持できない方や、結婚を機に、出産を機に、また、事故を機に・・・オートバイから離れている方もいらっしゃると思います。

では、現在オートバイに乗る事ができているライダーのご家族は、どのような想いで帰りを待っていらっしゃるのでしょうか?
「そんな危険な乗り物は、できれば乗ってほしくない。でも本人がそれほど熱望するのであれば・・・。」と、仕方なく・・・というご家庭も少なくないですよね。

まず、私たち「ライダー」がオートバイに乗り始める時に一番に優先しなければならないことは、そのような家族の思いをしっかり認識し、「笑顔で帰宅すること」ではないでしょうか。
もしも事故を起こしてしまったら、また、巻き込まれてしまったら・・・本人や職場環境は勿論、ご家族やご友人も深い悲しみに包まれるのです。

しかし、とにかく「映画のように格好良く走ること」や、「ライディングテクニックが優れている」こと、「高価なバイクに乗っていること」や、「速く走れること」などに気持ちが囚われ、安全にライディングするという事に、どこかダサいというイメージをもっているライダーも少なくないように感じます。

私たちライダーは、自身のオートバイの特性を理解し、オートバイを安全な乗り物にするライディングを実践し、自分の家族に安心を与えられるような日々を重ねていかなければならないと思います。

  1. オートバイの特性「人的要因」

    オートバイの特性

    オートバイは自立できないもの

    オートバイは自立することができません。

    その為、走行時のオートバイの特性を考えるうえでは、乗り手という「人的要因」とバランスを維持するという「技術・経験的要因」の2つの要素が絡み合ってきます。

    人的要因

    人的要因には、メンタルの部分が大きく影響してきますが、先ず第一に、自分の技量がどの程度であるか自己のスキルを把握することが重要になってきます。

    注意すべきところをあげだすとキリがないとは思いますが、事故原因に直結する事象をリストアップしてみました。

    「ライディングに自信が無い」

    現在の大型二輪免許の取得は、一昔前と違い、優しく易しいものになってきております。免許を取得したといっても「公道にでるのは早いかな・・・」と少しでも感じているのであれば、自信が持てるまで練習を積んでからにしなければなりません。心や身体の緊張が、スムーズなライディングを妨げるのは言わずもがな、です。

    「とにかく格好良くみせて走りたい」

    「格好良い」という美意識は人それぞれですので、それを否定するものではありません。オートバイのカスタムや、ライディングウエアへの拘りなどは、オートバイを楽しむ上で重要な要素だとも言えます。しかし、格好良く見せたいという思いが安全性や機械性能を欠いてしまう原因になるようなものであれば、バランスを考えなければなりませんよね。握りにくいブレーキレバーや、腕がつりそうなハンドルのように、もしもの時に機能しないようなカスタムも推奨できません。

    「自信過剰」

    自分のスキルを過信しすぎてしまい、「これくらい大丈夫だろう」と、安易に自分の経験値を超越した事をしてしまう。このような「チャレンジ」は、公道ではなく、安全が担保されている環境やクローズドコースでチャレンジすべきです。

    「スピード狂」

    オートバイの魅力のひとつには、「スピード感」もあるでしょう。しかし、オートバイ事故の背景には、必ずと言っていいほどスピードの出しすぎが一因にあります。マシンの最高時速へのチャレンジは、サーキットなどのクローズドコースで行うべきであり、公道走行は、常に状況にあったスピードを意識して走行しなければなりません。郊外の峠も、ライダーだけの道路ではないのです。

    「集団ツーリングで無理をしてしまう」

    昨今はSNS等のコミュニティで仲間を見つけ、連れだってツーリングする機会も多いそうです。私はマスツーリングは得意でありません。参加した事はありますが、「危ないな」と思ってしまうのです。それは、無理について行こうとするライダーがいたり、良いところを見せたいと必要以上に飛ばすライダーがいたり、車間距離が充分でなく仲間内で接触しそうになったり、素手・片手でカメラをむけながら追い越し車線を走行していったり・・・。オートバイを好きな者同士が集うのは決して悪い事ではありませんが、集団意識というのは誰にでもあるものです。

    こうしたツーリングのリーダーになる方は、各ライダーのマシン特性やライダー自身の技量や性格、そして初心者もいる場合には、グループを分けたり、集合場所を予め伝えておく等、先先を見越した判断が必要です。

  1. オートバイの特性「技術・経験的要因」

    オートバイの特性

    技術・経験的要因

    近年、タイヤの進化やさまざまな技術が、自動車の安全性を向上させており、自動車事故の死傷者はここ20年間で約半減しました。しかし、オートバイ事故による死傷者は増加傾向にあります。

    オートバイが転倒することに対する対策は、ライダー自身の技術と知識・経験に頼るほかないのが現実です。「バイクを安全に走らせること」は「バイクを転倒させないこと」。それに対する注意点を挙げて見ましょう!

    「スキル不足」

    ライディングは、基本的なオートバイの動きを一定のレベルまで鍛錬する事で体得する必要があります。オートバイの運転が巧みな方は、総じて動作・操作がスムーズです。バランス感覚を持って、アクセルのあけどころ、搾り加減、リヤブレーキの使い方、そしてスピードに応じたバンク角の感覚をもっています。

    「市街地の危険」

    市街地で最も危険とされる場所は、言うまでもなく交差点です。市街地でのバイク事故原因の約8割が交差点内の右直事故となっております。特にオートバイで交差点を直進する場合、対向右折車に対する注意が必要です。

    オートバイは、自動車ドライバーからは認識されにくく、視覚で認識するシルエットも小さいために、距離感も把握されにくい特性をもっていますので、交差点に進入する時は減速する等注意を払わなくてはなりません。また、路面が濡れている状態では、マンホールや白線などは非常に滑りやすくなりますので、ブレーキの使い方やアクセルワークも注意しましょう。

    「郊外峠道の危険」

    オートバイでの死亡事故の半数以上が、郊外での単独事故です。スピード超過が原因で、カーブを曲がりきれずに路外に転落する事故や、自然現象によるり、タイヤグリップが低下して転倒する場合もあります。

    北海道ではドライ路面に突然現れる春先の「雪解け水」も非常に危険ですね。他にも、浮き砂、穴、溝、落ち葉、マンホールや道路の継ぎ目など、ヒヤっとする路面は多々あります。

    郊外に多くあるブラインドコーナーが連続する道などは、文字通りその先が見えません。北海道らしいですが、「動物の道路横断」「山菜取りの路上駐車」「農作業の車」「Uターンしている乗用車」なども実際の事故原因になっています。

    郊外では、道路状況や、路面の状態に応じたスピードコントロールが鍵であり、危険予知をして「スピードを落とす」ことが事故を起こさない第一前提と言えるでしょう。

    「オートバイは見えにくい!」

    オートバイは、他の車両から認識されにくいという特徴をもっています。市街地では、他の車両の真横やななめ後方はオートバイにとって特に危険な位置といえます。死角です。できれば、教習所でならったキープレフトではなく、車両と同じ真ん中、もしくは真ん中より少し右が、前方車両のルームミラーにも入り認識されやすいと思います。しかし、ルームミラーを全く見ていないドライバーや、サイドミラーを畳んだまま走行している自動車もあります・・・。過失割合を抜きに、負傷するのはライダーの方ですから十二分に注意しましょう。

    「ダメ!すり抜け」

    まれに、はみ出し禁止の場所や信号停止中でのすり抜けを目にします。北海道は、交通量が少ない方なので、本州以南に比べてすり抜け走行も少ないとは思いますが、やはりいらっしゃいます。前方車両は突然左に寄ってくることもあるかもしれません。排水溝などにハンドルを取られて事故が発生した例もあります。私も関東の渋滞にはまった時にすり抜けをせずに我慢しておりましたが、あちらでは熱中症の心配もでてきそうです。しっかり休憩と水分をとりましょう。すり抜け走行は道路交通法でも、許されることではありません。禁止行為です。

    「ヘルメット・ウェアの重要性」

    オートバイは転倒してしまうと、身体を保護するものはヘルメットとウェアしかないのが実際です。装備は安全なものを選択したいですね。

    ヘルメットは規格に合格している耐衝撃性に優れているものを。ウェアは走行状況に応じ、適切な装備が必要になります。夏の暑さが過酷な時期でも、半袖・短パンなどは相応しくありません。肌を露出するよりも、長袖のファブリックやメッシュの方が、ずっと涼しいという事も添えておきたいです。ライダーの身体を保護する安全なウェアの着用を強く推奨いたします。

    「走行前、これだけは準備しよう」

    走行前は、最低限の車両チェックを行いましょう。空気圧、ライト点灯、ウインカー、ブレーキ灯の点灯、ブレーキオイル、ブレーキパッドの減り、エンジンオイル、チェーンの潤滑、チェーンの遊び、タイヤの減り具合。特にタイヤの減りに関してですが、接地しているのは道路とタイヤのみです。非常に大事な部分ですので、早めの交換を推奨いたします。

    そして、万が一の事故への備えとして、任意保険に加入することを強く推奨します。人身事故で何千万円の保障という事もよくよくあります。無保険車との事故は、人生そのものを狂わせてしまいます。

  1. 北海道のライディング環境

    北海道のライディング環境

    北海道のライディング環境

    北海道はツーリングライダーの聖地と言われています。道幅が広く、街を出れば信号がずっと先までない事、長い長い直線道路など、北海道の雄大な景色もさることながら、交通量の観点からも、空気もきれいでバイクで走る環境としては最高です。

    そのような走りやすい環境もあって、スピードの出しすぎや、朝夕の路面温度差によるスリップ事故が毎年のように報告されております。

    北海道ツーリングを楽しむため、いくつか道内の特性をまとめてみました。何て言っても「試される大地」北海道ですから。

    「道路状況」

    北海道の道路はとても走りやすいと言われます。交通量が少なく道路が広い事が大きな恩恵となっています。また、郊外に行くと、右は山、左は海、目の前は長い直線道路・・・という景色も多々あります。雄大でスピード感を感じにくく、思った以上にメーターが高速域をさしてしまっていることがありますのでお気を付けください。

    特に春先ですが、3月下旬はまだ塩が浮いています。錆びます。春先に市街地の道路にある水たまりは、塩水です。錆びます。気を付けてください。

    冬期間の凍害による大きな穴や、浮き砂など、突然の路面状況の変化には気を付けなければなりません。峠道では、頂上付近の路面温度が非常に低くなっていますからスリップに注意しなければなりませんし、鹿などの動物飛び出しによる事故も稀にあります。

    本州に比べて一日の移動距離が比較的長くなることや、市街地を離れるとスタンド自体が少なく、土日祝にお休み・・・というところも多いです。給油は計画的に行いましょう!

    「季節的な注意」

    北海道のオートバイの「オンシーズン」と呼ばれる季節は、4月下旬~10月下旬の7ヵ月間ほどが一般的です。ゴールデンウィークや10月は降雪の可能性がありますので、ロングツーリング等を計画するのであれば、6~9月までが適しています

    気温に関しては、場所によって7~8月でも最高気温が20℃を下回る場所もありますので、基本的には本州の秋・冬の装備は必要になります。ロングの場合、革よりも機能性を重視したファブリックウェアが体温調整に一役買ってくれます。特に雨が降った場合は、体感温度が非常に低くなりますので防雨防寒対策が必要です。夏でも陽が落ちると気温は低くなり、路面温度も非常に低いためカーブの走行は注意してください。最近は30℃を超える事もでてきましたが、皆様が想像するより北海道は寒いです。試される大地です。しかし、日本一周して初めて気が付いた事があります。北海道は空気が美味しいのです。爽やかで快適なツーリングが行えますよ!